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松倉家住宅・馬口労町
0秋田市旭南二丁目一部二階建・和小屋構造・妻入造市指定文化財松倉家は江戸時代からの商家で、明治初期より大地主としても栄えた。馬口労町(ばくろうまち)の角地に位置する住宅は、明治三十六年の建築だが、江戸後期以来の秋田地方の町家形式をよく伝えた完成度の高い大型町家であり、内外ともに改造も少なく保存状態も良好な現役の住宅である。太い梁首を突きだした破風、屋根の笠木も張り出し、右には秋田では珍しい卯建(うだ...
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きいちのぬりえ
二月二十四日、「きいちのぬりえ」の作者・蔦谷喜一が亡くなった。齢九十一歳の大往生。版元・石川松声堂 昭和三十年代大正三年、東京京橋の紙問屋「蔦谷商店」に生まれ、昭和七年、川端画学校日本画科入学。昭和十四年ころからぬりえを描き始め、昭和二十二年からは「きいち」の名で一世を風靡する。昭和三十年代の最盛期には、八枚セットの袋入りぬりえが、ひと月に百万部も売れるという、爆発的な人気を集めた。左、版元・川村...
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旧秋田ステーションデパート包装紙
昭和四十三年(1968)、秋田ステーションデパートでは包装紙のデザインを公募し、十一月九日には、図案入賞者の賞金授与式が行われているので、使用されたのは翌年からと思われる。駅が改築されてトピコの愛称になるまで使われていた、なつかしの包装紙。...
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南木佳士『医学生』・秋大医学部
秋田大学医学部校舎・昭和四十七年(1972 )田んぼの中にポツンと完成して間もない五階建ての校舎。まだ付属病院の建物もない。医師で作家の南木佳士が学んでいたころだ。南木は、国立高校を卒業し医学部を目指すが、現役での受験は失敗し浪人。1971年、絶対確実といわれた、一期校の千葉大学医学部を受験するが不合格となり、不本意ながらも、やむをえず二期校の秋田大学医学部に入学する。挫折感と劣等感を抱きながらの都落ちの...
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伝説のからあげ弁当・たいあん弁当
このボリュームで420円也久しぶりに、たいあん弁当のからあげを食べる。最期に食べたのが大町店が店を閉じる前だから、もう10年以上になるが、昔と変わらず、申しぶんのない味だった。卵焼き、いんげん、かまぼこ、フライドポテトの付け合わせ。山菜をプラスしたデラックス版「からあげ山菜弁当」もあり。秋大近くの手形店は学生客が多い。他県から秋大に来た学生たちにとっては、わすれがたき青春の味で、彼らが地元に帰って「秋...
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久保田城下の「かまくら」行事
藩政期の秋田市での小正月(旧暦の一月十五日、あるいは十四日から十六日まで)の様子は、『秋田風俗問状答』などの文書で知ることができる。『風俗問状答』とは、江戸の考証学者・屋代弘賢らが幕府の後ろ盾をもらって諸国風俗問状を全国に配布、それに応じて各藩が答えたもので、「諸国風俗問状答秋田」が文化十一年に提出された。秋田六郡の風俗・年中行事の詳細に絵図が付されている貴重な資料で、現在は国立公文書館が所蔵、異...
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タウトの宿・旧金谷旅館
旧金谷旅館秋田市保戸野通町「高砂堂」裏、旭川沿い。開業は明治期。旅館は廃業し所有者も変わった。日本を愛し日本美を世界に紹介したドイツ人建築家・ブルーノ・タウト。昭和十年五月、秋田駅に降り立ったタウトと日本人助手は、駅長の薦めで当時市内では一番有名だった「石橋旅館」に宿泊するが、豪華絢爛な日光東照宮を嫌い、簡素な桂離宮を好んだタウトは、この旅館を「大名風ではあるが、やはり垢抜けのしないイカモノだ」と...
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相互銀行のターちゃん
旧秋田相互銀行マスコットキャラクター「ターちゃん・チーちゃん」名前はタイガーの「ターちゃん」と、チータの「チーちゃん」だろうか?「ターちゃん」が先行し、その少し後にガールフレンドとして「チーちゃん」が登場している。秋田銀行の「おばこ」や、羽後銀行の「秋田犬」のような秋田らしさが全く無いキャラクターは、人気も今ひとつで、他行のものよりも短命だったようだ。「ターちゃん」の初期と思われる貯金箱をみたこと...
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雪べら
冬になれば雑貨屋や金物屋の店先に何本も立て掛けられていた、こんな木製の雪べらもすっかり見ることがなくなった。作るのも簡単で自家製も多く、柔らかく積もった雪ならばこれで充分。軽くて使いやすかったが、固まると歯が立たないので、金属製のスコップにまかされる。木製の雪ベラは壊れても修理は簡単だが、木製の柄に合成樹脂のスコップがついた現代の雪べらは修理ができず使い捨てになってしまうことが多い。...
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ギターが欲しかった
1969・少年マガジン広告兄がクラシックギターを持っていたが、いつでも使える自分専用のギターが欲しかった。しかし、中学生のこづかいではとても手が届かない。ある日、雑誌で「ギター組立キット」の広告を発見、「これなら買える!」と、ワクワクしながらハガキをしたため投函した。数日後、待ちに待った「キット」が到着。ボンドの乾燥を待ちながらすこしづつ組み立て、ついに弦を張る時がやってきた。張り終えてチューニングを...