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絵葉書で見る・秋田県記念館
0秋田県記念館・戦前2008.11.30日現在、ブログタイトルに使用している「県記念館」の画像は、「廣小路より記念館を望む」とタイトルがついた、戦前(昭和初期)の絵葉書を素材に加工したもの。その絵葉書のキャプションに、「こゝ蓮花香る清らかな壕のほとり、廣小路より中土橋を渡った處に市民公会の殿堂たる記念館が建ってゐる。この邊りより緑樹滴る千秋公園の風趣が展けてゆく。」とある。現在の同地点 06.11建物の他に大きく変...
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彫刻のある理髪店・菊谷小路
秋田市保戸野通町から菊谷小路に曲がってすぐの左手、彫刻家・工藤健の手になるレリーフ作品が名物看板となっている「ヨシダ理容室」。「装風」1975ギリシア神話のハルピュイアを連想させる、風をまとって舞う“鳥と女性の複合生物”の、鳥のものとも人間のものとも知れない、アンバランスに突き出た片腕は天空を指さす。昭和50年に借金をして造らせたというリレーフ、通町の拡幅工事の際に建て替えられる以前の店舗は間口が狭く、建...
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瀟洒なる文化の殿堂・秋田県記念館
大正七年、千秋公園入口の高台に秋田県記念館(正式名称・大正天皇御即位記念会館)竣工、天長節の十月三十一日に開館式が執行された。このとき秋田市広小路に面した東根小屋町に県立秋田図書館(正式名称・大正天皇御即位記念図書館)も同時に開館する。秋田県記念館現在の同地点 ジョイナスと県民会館県民会館の前身(二代目)にあたる県記念館が存在したのは、現在の「秋田県生涯学習センター分館・ジョイナス」(旧・県立図書...
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再建なる八幡秋田神社・千秋公園本丸
八幡秋田神社・拝殿 08.11千秋公園本丸に鎮座する、秋田八幡神社の焼失から早四年弱。平成十八年七月に着工した復元工事もようやく終わり、白木もまぶしく、すがすがしい社殿には新しい注連縄(しめなわ)が渡され、あとは来月の式典を待つばかりとなった。八幡秋田神社・本殿 08.11_________関連記事 八幡秋田神社焼失す 再建の槌音・ 八幡秋田神社 千秋公園に謎の銅像・明治三十四年 進む再建・秋田八幡神社...
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壮麗なる文化の殿堂・秋田県公会堂
秋田県公会堂千秋公園入口の高台、現在の県民会館の地に、明治三十七年「秋田県公会堂」、正式名称「皇太子殿下御慶事記念秋田県公会堂」落成す。東宮(大正天皇)御成婚記念事業として、教員の初任給が十円ほどの時代、インテリアを含め総工費約九万円の県費を以て建設された壮麗な洋風建築。初代の県民会館に相当する県内唯一の大ホールとして、公式行事、各種集会、音楽会、展示会などに広く利用された。現在の同地点今は東海林...
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平野美術館と大日本武徳殿・千秋公園
日赤跡地周辺の再開発計画の一環として、千秋公園入口の現在地から移転することが決定した平野美術館(県立美術館)だが、まだ老朽化が目立つわけでもない立派な建物を移転させる必要性が感じられず、その新築が永続的な活性化に結びつくとも思えない。移転に反対していた財団理事会も、いかほど“握らされた”ものか賛成に一転、反対をつらぬき通した役員は脱会。この時勢、無駄に「箱物」をつくらずとも、当面は「原っぱ」(緑地公...
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ティファニーの薔薇窓・麗しき“あだ花”
聖セシリア教会秋田市中通六丁目、中通小学校の斜め向かいに位置する、イヤタカグルーブ経営の結婚式教会・聖セシリア教会。キリスト教の信者でもないカップルが、十字架と雇われ神父の前で誓いを立て、結婚式を挙げる舞台装置としての結婚式教会はおおむね、その軽薄な台本に似て、ディズニーランド的キッチュさをただよわす、嘘くさい建物が多いのだが、この物件は例外的に存在感と風格をそなえている。その建物に圧倒的な存在感...
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手形堀反町界隈・夕刻散歩
秋田駅西北地区の区画整理計画によれば、いずれ取り壊される秋田駅前のパチンコ屋・リボン会館を曲がって、夜のとばりが落ちた手形堀反町通り、今の地名では千秋久保田町界隈を歩く。リボン会館リボン会館がビルを新築したのは1972年。仕事帰りのサラリーマンであふれかえっていた70年代初頭の駅前にはパチンコ屋が多かった。まず秋田駅前正面で金萬が経営する「秋田会館」(現・金萬駐車場)。なかよしビル(アルス)のあたりが「...
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三角屋のあるY字路・新屋
2006.06秋田市新屋の日吉神社前から北へ向かい、汗かき地蔵で有名な愛宕町地蔵堂の前を過ぎてほどなく、目の前におもむきのある Y字路が現れる。分岐点から右手に伸びる街道、左手にゆるやかに蛇行する裏道。これらの古道を北上すると雄物川放水路にぶつかる。街道に面した Y字路の分岐点に建つのが、地元で「三角屋」と呼ばれている、木造二階建てレトロ建築。2006.06裏道の曲線に沿ってゆるやかにカーブを描く壁面と、そこにパッ...