1. 笹巻きを食う・旧暦五月五日

    秋田では旧暦の五月五日を端午の節句として笹巻きをつくる。今年は六月十九日が旧暦の五月五日。子供のころ、隈笹(クマザサ)の若葉が適度な大きさに育つこの時期になると、父と一緒に生家に近い金照寺山に、笹巻きに使う隈笹を採りに出かけるのが恒例の行事だった。「ちまき笹」の通称がある隈笹の若葉は、香りが良く、柔らかくて加工しやすい。母は一晩水に浸してザルで水を切ったもち米を、器用に二枚の笹の葉で包み、イグサで...

  2. 土用の丑の日「せきや」の鰻

    今年の「夏の土用の丑の日」は七月二十三日。通町「せきや」でも、二十二日から恒例の鰻の蒲焼きの販売が行われ、あたりには香ばしい煙が漂い、焼きたてを買い求める客の行列ができていた。この二日間のために用意した鰻は3トンという。同じ通町に最近、鰻屋がオープンしたが、「せきや」相手ではとても勝負にならない。鰻がスタミナ補給に有効なことは、古くから知られていたらしく、万葉集には大伴家持が夏痩せの友人に鰻をすす...

  3. ぼくのえ日き じどう車のおすし

    二月二五日(土よう日) 晴れ夕がた 母さんといっしょに とおり町の せきや いったらじどう車のもようの ふとまきずしがあったので かってもらいました。まどがキュウリで ライトがニンジンです。ほかには 花のもようのもありました。みせの中には ひなまつりの おすしが かざられていました。--------------関連記事せきやの「たこあげくん」せきや・秋田市通町...

  4. せきやの「たこあげくん」

    たこあげくん・三個パック 240円旬のイイダコまるごと一匹を使い油でカラッと揚げた、たこやきならぬ「たこあげくん」は、秋田市保戸野通町「せきや」総菜コーナーの人気商品。直径約5.5cmのボリュームは食べごたえがある。外はカラッと中はしっとりとして野菜たっぷり、タコの歯ごたえも良く、これを食べたあとでは、フツーのたこやきでは物足りなくなるのだ。イイダコの季節以外は、大きめのタコ足が入ったものになるが、大きさ...

  5. せきや・秋田市通町

    「せきや」が通町に店舗を構えたのが昭和30年代、周囲の商店と比べると歴史は浅いが、衰退いちじるしい地元商店の中にあって、もっとも活気あふれ、今ではこの町になくてはならない存在になっている。敷地内にまつられた、鰻と魚を供養する「鰻塚」。「己の身をすり減らしても人に尽くす」という社訓を象徴する「すりこぎ棒」。生鮮食品、特に鮮魚が豊富。川反から近いこともあって、飲食店などの得意先も多く、珍しい酒の肴や、市...

  6. ハレの日の「べっこう寒天」

    椎茸・卵・砂糖でつくる醤油味のカンテン料理は、我家では正月の定番だった。もともとは「べっこう」「えびす」「べろべろ」「ゆべし」などと呼ばれる、金沢を中心に北陸に広がる料理らしい。「べっこう」という命名は、「鼈甲・べっこう」の質感・色彩に似ているため。「べろべろ」は食感からの命名。懐石料理では、とき卵がつくりだす模様から「むら雲寄せ」という風流な名前も。山形や秋田の地菓子なども北陸系が多いので、同じ...