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小鳥のおみくじ芸・伝統の見世物
千秋公園のお花見の露店だったろうか、子どもの頃、小鳥使いのおじさんがあやつる「小鳥のおみくじ芸」を見た。舞台はミニチュアの神社。硬貨をくちばしで受けとった小鳥が参道を進み、さい銭箱にお金を落とし、お宮の鈴を鳴らして扉を開けて中に入り、おみくじをくわえて出てくる。足でつかんだおみくじをくちばしで開封して一仕事終えた小鳥は、おじさんの手から、ご褒美の餌をもらって鳥カゴにもどる。そのかわいらしい一連の仕...
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米国からやってきた凄い玉・スーパーボール
昭和41年、少年たちのあいだに“凄いボール”の噂が駆けめぐった。地面に叩きつけた小さなボールが、大きくバウンドして三階建てのビルを軽く超えたとか、とにかく噂の方が先行していて、その現物を手にしたのは、それからしばらくしてからのことだったと思う。カリフォルニアの科学者 ノーマン・スティングレーが発明したゴム製ボールを、玩具メーカー Wham-O社が改良を加え、スーパーボールの名で発売したのが1965年(昭和40年)。...
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露店にミドリガメがいた昭和40年代
祭りに花を添える露店も、最近は消えモノ(食べ物)が大半を占め面白味に欠けるが、県内有数の露店が並ぶ土崎の祭りとなれば、カブトムシやクワガタなど昆虫をあつかう露店や、「ミドリガメすくい」の露店など、珍しいネタに遭遇する確率も高い。一回200円で「金魚すくい」と同様の針金付きモナカでミドリガメをすくう、非常に難易度の高いというか、まず取ることのできない、いかにもテキ屋的な遊びである。それにも関わらず、小...
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秋田生まれで神田の育ち・龍角散
「ゴホン!と言えば龍角散」のキャッチコピーでおなじみの、咳止め和漢薬「龍角散」。この薬、久保田藩の御典医・藤井玄淵により、文政年間に藩薬として創製されたと伝えられている。江戸末期、長崎に渡り蘭学を修めた、三代目・藤井正亭治が、藩主・佐竹義堯(よしたか)侯の喘息の持病を治すために、蘭医学の知識を加味して処方を改良。当時の処方成分が、化石動物の骨「竜骨」、インドネシア原産の植物・龍脳樹の樹脂が結晶化し...