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「松坂古書店」店主殺人事件と二つの店名の理由
3▼さようなら「松坂古書店」 一昨年(2017)11月末日、秋田市で最古の歴史を有する古本屋「松坂古書店」南通り店が静かに店を閉じた。 ▲「松坂古書店」南通り店跡 2019.04 ▲平成2(1990)年 平成2(1990)年時点の店舗をあげると、すずらん通り本店・南通り店・手形東通り店・秋田ワシントンホテル(現・イーホテル秋田)2F AD店の4店。80年代には秋田大学の近くに手形山崎店も。 ▲「松坂古書店」すずらん通り本店 2004.03 70年...
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千秋公園でスケート競技大会・昭和初期映像発掘
▼秋田の競技スケート発祥地・千秋公園スケートリンク 明治42(1909)年2月、長野県上諏訪町の南信日日新聞社が主催して開催された「諏訪湖一周氷滑大会」が、日本におけるスケート競技大会の起源とされる。 この大会で使われた用具は、地元の鍛冶職人が製造した、歯の無い下駄の底に鉄製ブレードを付けた和洋折衷ハイブリッドな下駄スケート。 足袋に下駄スケートをはき、木綿で平らに編んだ真田紐(さなだひも)で、足と下駄を...
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秋田航空事始め・大正三年の飛行機大会
▼秋田の空を始めて飛行機が飛んだ日 ▲『秋田魁新報』広告 今から約100年前の大正3(1914)年6月、秋田市の空に初めてのエンジン飛行機が飛んだ。 飛行機大会の会場は秋田市亀ノ丁新町(現・南通みその町・南通築地)に広がる「楢山中学校運動場」通称「楢山グラウンド」。明治30年代に県立秋田中学校(現・秋田高校)運動場として整地されたこの地は、野球大会を初めとした各種スポーツのメッカであった。詳しくは次回に。 「秋...
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砂利船のある情景・秋田市旭川
秋田市旭川(大正期) 旭川に架かる橋の下に夫婦連れらしき砂利船が浮かぶ。その橋は保戸野新橋だろうか。 保戸野新橋 昭和初期の『秋田魁新報』より、旭川の砂利船を描写した随筆を。 早春点景 柳の青む川で 船頭夫婦が 楽しいお昼飯(F記者) 「月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人也…」と芭蕉は奥の細道の冒頭につぶやいている「舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖(す...
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広小路堀端に物凄き怪音・昭和十年夏の怪談
昭和10(1935)年の夏、秋田市広小路「大手門堀」に、夜な夜な怪音が鳴り響く異変があり、あたりは深夜まで、噂を耳にして集まった物見高い野次馬でごった返した。 真夏の夜にふさわしい猟奇的な話題が広小路濠端に提供されている……市内広小路大日本電力(*1)前濠端に毎夜午後十一時を過ぎると付近の人々は勿論、遠くから噂を聞いての恐いもの見たさの人々が朝の三時頃までずらっと並んで、向い側武徳殿(*2)土手にまで懐中電...
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玩具商戦の目玉はボウリングゲーム・1971
売れるボウリング・セット ボウリング・ブームにあやかって、県内でおもちゃのボウリング・セットが不況知らずの売り行きを示している。家族ぐるみで手軽に楽しめる利点が、うけているポイントだが、県内で相次ぐボウリング戦のテレビ放映なども刺激剤になっているようだ。 早くも、おもちゃ売場の“切り札商品”にのし上がったこのセット、全国各地の大手デパート間で奪い合いの状態。というのは、家族連れの買い物客をねら...