1. 久保田城の裏門を訪ねる

    千秋公園の二の丸、胡月池を望む鯉茶屋前から本丸に至る石段を、裏御門坂、略して裏門坂という。かつては石段を登り、さらに左折して登りきった場所に久保田城の裏門が存在し、今は礎石だけが残っている。千秋公園 裏門跡千秋公園から消えた裏門は、秋田市寺町の曹洞宗寺院・鱗勝院の山門として生まれ変わった。鱗勝院 山門明治十九年四月三十日、秋田町を大火(通称・俵屋火事)が襲い、外町を中心とした約三千五百戸が全焼、寺...

  2. 人徳の商家・那波家

    秋田市大町三丁目の那波商店は、清酒(銀鱗)、味噌(山蕗)、醤油の製造販売、呉服衣料品(升屋)の販売を手がける、秋田を代表する老舗のひとつ。当主は代々那波三郎右衛門を襲名する。那波呉服店・大正期 現在の交通公社付近秋田に来る前は京都室町の両替屋で、諸国の大名に資金を用立てるほどの財力だった。初代は佐竹氏の常陸藩時代から、京都の佐竹屋敷に御用商人として出入りする。五代目の時に火災に遭い、那波家ではほと...