1. 千秋公園の大衆食堂・消える昭和

    「ゑびや」跡 2010.05久しぶりに千秋公園を散歩していたら、二の丸の「ゑびや」(えびや)食堂が消えて更地になっていた。この地に食堂・貸席そして売店を兼ねた「ゑびや」が開業したのは、隣りに児童動物園が開園した昭和25年ごろのことだと思う。家族連れで汽車に乗って動物園に来て、この店で昼ご飯を食べたり、夏の日にはアイスクリームやかき氷で涼んだ思い出をもつ方も多いことだろう。動物園が大森山に移転してからはにぎわ...

  2. 象さんがやってきた!・秋田県児童文化博覧会

    「秋田にゾウが来た日/日印友好伝える写真 - asahi.com マイタウン秋田」より朝日新聞秋田支局に持ち込まれたという、秋田市に初めて象がやってきた昭和25年の夏、千秋公園で撮影された写真が「asahi.com:マイタウン秋田」に掲載されている。この年の8月、今の県民会館の地に、秋田県児童会館がオープン、記念行事として「秋田県児童文化博覧会」が開催された。その博覧会の目玉だったインド象の「インディラ」が日本に上陸した...

  3. ライオンが殺された日・千秋公園児童動物園

    昭和四十五年(1970)十月十九日、千秋公園の秋田市立動物園からライオンが脱走し、射殺されるという事件があった。年老いて性格も穏やかなライオンは子どもたちの人気者だった。秋田魁新報、朝日新聞秋田版より十九日朝八時過ぎ、ライオンのオリを清掃した飼育係が、鍵を閉め忘れ、気がついたときには、裏手の扉からライオンが抜け出していた。係員はすぐに秋田署と、たまたまその日は休みだった、ライオン担当の飼育員に連絡。そ...

  4. 樅の木は残った・千秋公園

    「千秋公園舊馬場ノ景」と題された大正初期の絵葉書より季節は夏だろうか、大正から昭和初期にかけて流行した、麦藁のカンカン帽をかぶった着流しの男たちが、旧馬場の並木道を歩いている。場所は千秋公園二の丸、旧児童動物園から弥高神社のあたり。並木はモミの木。藩政時代、この一帯には、厩(うまや)役所、厩、馬場(馬術訓練コース)があり、馬場の両側にはモミの木が植えられていた。秋田市千秋公園鳥瞰図より(発行・昭和...