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地蔵の首とキリストの顔・素朴派的造形
2013.06 秋田市楢山共和町、浄土宗「弘願院」境内の六地蔵。 明治初年の仏教排撃運動、いわゆる廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響で、六体すべての首を切断される災難にあい、のちに修復された。 損傷が少なかった頭部は、そのままセメントで接着されたため首回りが太い。 以下2枚の画像は、損傷がいちじるしい、もしくは行方不明となった頭部の代わりに新たに作成、もしくは修復されたセメント製の顔。 檀家衆の手...
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妙覚寺の腹高地蔵さんと地母神
●おなかの大きなお地蔵さん10.06秋田市旭北寺町、曹洞宗・妙覚寺境内の六地蔵。ありゃ?六体じゃなくて七体あるぞ!と良くみれば、右端の大きな地蔵さんの脇に「子安地蔵」の標柱。妊婦を守護する安産の地蔵さんだ。10.06「子安地蔵尊」の標柱は平成六年に建てた新しいもの。この地蔵さん、古い観音菩薩がいつしか地蔵尊に変身したものと伝えられ、お腹が少しふくらんだ妊婦の姿をしていることから「腹高(はらたか)地蔵さん」と...
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つぎはぎ地蔵・廃仏毀釈の産物
07.04明治初年の仏教排撃運動、いわゆる廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響で、多くの石仏が首を切断されるなどの被害にあった。金照寺山の某所に建つこの地蔵さんは、首をもがれたふたつの石像の、頭と胴体を無理矢理接合した物件。地蔵さんの頭部は錫杖(しゃくじょう)の角度からみて立像だが、その胴体は座像。座っているのか立っているのかわからない、頭でっかちなアンバランスさが、哀しくもあり可笑しくもある。胴体のほ...
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愛宕町の汗かき地蔵・新屋
旧北国街道沿いの新屋表町、浜田浜に向かう坂の下に愛宕町地蔵堂がある。愛宕町地蔵堂(鹿島祭の日)07.06お堂に安置された鎌倉時代の作と言われる、黒石で造られた地蔵さんは、火難・疫病除けの地蔵尊として地域の信仰が厚く、かつては、旧暦七月の祭日となれば、県内各地からも多くの参詣者が訪れて賑わったものらしい。汗かき地蔵 04.06昭和五十八年五月二十六日、日本海中部地震発生。地蔵さんの霊験か、愛宕町地域の家には何...
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歓喜寺の地蔵さん・寺町にお別れ
07.01百四十余年のあいだ秋田市寺町に立ち、人々の祈りと思いを一身に受け、外町のほとんどを類焼した明治十九年の大火をくぐり抜け、移ろいゆく街並みと人の世の流れを眺めつづけてきた、背中に元治元年(1864)と刻まれた歓喜寺門前の地藏さん。07.01数年前に目の前の小路が拡げられ、そうこうするうちに墓石がトラックで運ばれていき、お寺が取り壊されて、夏の日差しを優しくさえぎってくれたケヤキの大木も切り倒されてしまい...