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金照寺山「三十三観音巡礼」札打ちの山
2010.06金照寺山にニセアカシアの甘い香りが漂う初夏の頃、山道に点在する観音さんの石像が、ある日を境に真っ白なお札におおわれるのが、子ども心にとても不可思議だった。今でこそ巡礼者も少なく、お札の数は少ないが、当時は石像とセットで建てられた御詠歌の碑もろとも、白い衣装を着たかのように、観音さんは沢山のお札に埋めつくされていた。2010.06七つ森の登り口近くに建つ「四恩之碑」。隷書体の題字は土手長町で医院を開...
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札打ちの大喧嘩・レジャーとしての札打ち
二十六番札所・當福寺一月十六日の深夜、日にちが変わって十七日は「札打ち」、正式名称「久保田三十三番札所巡礼」の日。今は自家用車を使い、順番もさして気にしない向きも多いが、以前は全行程を徒歩で必ず順番通りに巡礼した。厳冬の夜、一番札所の泉から、手形、広面、楢山、牛島、川口境、寺町を経て、三十三番の八橋まで、五時間から八時間をかけて歩く。とくに手形から楢山にかけては田んぼの畦道がつづき、吹雪になると雪...
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殺された保存樹たち・寺町定点観察
秋田市寺町「歓喜寺」前 2003.09秋田市寺町「歓喜寺」前 2005.02秋田市寺町「歓喜寺」前 2006.11秋田市寺町「歓喜寺」前 2007.01秋田市寺町「歓喜寺」前 2003.09秋田市寺町「歓喜寺」前 2007.01国道7号を起点として、南通りから明田地下道を通り、横山金足線に接続する都市計画道路「川尻広面線」の用地にある「歓喜寺」の移転にともない、境内にあった、推定樹齢百五十年、樹高約30m、秋田市保存樹指定のケヤキ七本が伐採...
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闇夜に響く札打ちの音
一月十六日の深夜、寺町周辺のお寺の山門には提灯の火が灯り、鉦(かね)を叩く音、札を打つ音、ふだらく(御詠歌)を唱える声が闇夜に吸い込まれるようにかすかに響く。札所には炭火が置かれ、なかには甘酒なども用意して参拝者を迎える寺も。十五番・妙覚寺山門通称「札打ち」、正式名称「久保田三十三番札所巡礼」は、約三百年の歴史がある行事。当時、西国三十三番札所巡礼が大ブームになったが、一般民衆にとって遠方への旅行...