1. 「松坂古書店」店主殺人事件と二つの店名の理由

    ▼さようなら「松坂古書店」 一昨年(2017)11月末日、秋田市で最古の歴史を有する古本屋「松坂古書店」南通り店が静かに店を閉じた。 ▲「松坂古書店」南通り店跡 2019.04 ▲平成2(1990)年 平成2(1990)年時点の店舗をあげると、すずらん通り本店・南通り店・手形東通り店・秋田ワシントンホテル(現・イーホテル秋田)2F AD店の4店。80年代には秋田大学の近くに手形山崎店も。 ▲「松坂古書店」すずらん通り本店 2004.03 70年...

  2. 秋田銀行発祥の地・茶町菊ノ丁

    二丁目小路(現・山王大通り)方向から北に位置する、茶町菊ノ丁・上肴町・通町を望んでいる、大正期の撮影と思われる写真。菊ノ丁は現在の大町二丁目、ニューシティビル裏通りの、かつては名だたる豪商が建ち並んだ通り。明治十九年の俵屋火事、明治三十八年の大火で被災しているため、それ以降に建てられた店が大半を占める。西側(左手)の洋風建築が「第四十八銀行」。明治十二年に本県初の銀行「第四十八国立銀行」として、旧...

  3. 茶町の老舗・三傳

    三浦傳六商店・茶町菊ノ丁明治末から大正期の撮影と思われる、旧茶町菊ノ丁、現在の大町二丁目、ニューシティービル裏の一角に存在した、秋田の典型的な切妻の町家「三傳本店」。破風下の三段化粧梁、二階左手に施された「うだつ」が、ひときわ眼を惹く立派な造りで、屋根には防火のための天水瓶が上がっている。弘化四年(1847)、茶町菊ノ丁に茶紙荒物商として創業。現在は新屋に本拠を移し、総合商社として営業をつづけている。...

  4. タウトの観た秋田市・茶町菊ノ町・上肴町

    建築家・ブルーノ・タウトが昭和十年五月に秋田市を訪れ、版画家・勝平得之の案内で市内の建築物を見て回った際、タウトの助手を務めていた上野伊三郎が撮影した写真の一部が、タウトの著書『Houses and People of Japan』(日本の家屋と生活)に記録されている。Fig. 149 A Merchant House at Akita『Houses and People of Japan』(1937・初版) よりニューシティビルの裏にあたる茶町菊ノ丁から上肴町を望んでいる。手前の「片屋...

  5. 来客に「茶町遠くて」不調法

    ●茶町の茶舗「繁田園」秋田市茶町通り「繁田園」 04.07武州狭山、現在の埼玉県に文化十二年(1815)創業の老舗・繁田製茶が、東北地区への狭山茶販路拡大の一環として大正五年、秋田市茶町扇ノ丁に支店を開設したのが今の繁田園。この秋田店からさらに、仙台繁田園、札幌繁田園、盛岡繁田園、東京繁田園がのれん分けされた。繁田製茶が昭和初期にはじめた茶会から、のちに煎茶道流派「狭山流」(きょうざんりゅう)が誕生する。新...

  6. 日米看板対決「ローソンvs繁田園」

    サァーサァーお立会い、これより秋田は山王大通りに於きまして、史上まれにみる飲物容器看板対決、「ローソンのミルク缶」vs「繁田園の茶壺」の巻のはじまり、はじまり。御用とお急ぎで無い方はゆっくりと聞いておいで見ておいで。まずはご覧あれ、手前に突き出す看板は、青地に白のミルク缶でおなじみの、もとをたどれば1939年、米国はオハイオ州のJ.J.ローソンさんが始めました、牛乳屋さんに端を発するローソンの商標。おいしく...