1. フック船長の紙芝居屋さん

    牛島商店街の貸本屋「牛島文庫」は、紙芝居屋を兼ねていたのか、それとも紙芝居を貸し出していたのか、店のわきに紙芝居を乗せた自転車を停め、腰をおろしてタバコで一服するおじさんの姿をよく見かけた。楢山・牛島界隈を縄張りとするその紙芝居屋は、胸の前にぶらさげた大太鼓を打って、歩きながら子どもを呼び込み、紙芝居中に肝心な場面で入れる合いの手も「ドン!ドン!」と太鼓を鳴らす。おじさんの片手は戦争で失ったのだろ...

  2. 貸本屋と貸本漫画の日々・消える昭和

    先日、ひさしぶりに保戸野小学校界隈を散歩していたら、菊池木材の近くにこの間まであった元貸本屋の家があとかたもなく消えて更地になっていた。とうの昔に貸本屋は廃業、残されたおばあさんが貸本屋時代のものを古本として売っていたのだが、その存在に気がついたときには、もう目ぼしい商品は、めざとい業者やマニアが買いあさったあと。それでも、かつてはどこの本屋にもあった、雑誌を立て掛けて陳列する書棚もそのままに、往...