1. 昔日の風情も薄れ草の市・馬口労町

    草市・馬口労町通り20011.08.12盆入りの前日、お盆に使う花・野菜・果物・精霊棚の供え物などを売る草市(盆市)。往年の風情を色濃く残していた馬口労町の草市も、近郊農家からの出店および物量は年を経るごとに少なくなり、時間帯が遅くて売り切れた可能性もあるが、例年の楽しみにしていた「赤ずし」を出す店も見かけなかった。馬口労町の草市はこのまま衰退をつづけ、いずれは保戸野通町のように名前だけの草市になってしまう...

  2. 盂蘭盆会の風物詩

    盆提灯のある店・馬口労町草市にて線香にロウソク、のし袋に蚊取り線香などを置いている店だが、雑貨店というわけでもない、草市の日にだけ目にとまる不思議な店。右手の盆提灯の正式名称は「岐阜提灯」。極薄で丈夫な美濃紙を貼り、繊細な筆先で秋の草花などを描く。手の込んだ手書きのものは結構な値段がするが、昔は非常に高価な贅沢品で、庶民が手にできるものではなかった。その当時は盆の時期だけではなく、日常の装飾照明器...

  3. 明治末期の清酒店・馬口労町

    穀物酒類商・伊藤商店 秋田市馬口労町明治四十五年、顧客に送った年賀状切妻屋根から突きだした化粧棟木、重厚な破風板、破風下の三段化粧梁が眼を惹く主屋。主屋の前面のコミセでつながる右手の建物は、瓦屋根の倉造りで、隣家との境には防火用の卯建(うだつ)が上がっている。主屋には大日本麦酒の「サッポロビール」、右手には「銘酒イネマサムネ」の屋根看板。サッポロビールの看板の上には長方形の木彫看板らしきものが提げ...

  4. 草市・馬口労町

    勝平得之「盆市」(部分)昭和二十一年八月十二日、近郊の農家が集り、お盆に使う花、野菜、果物、精霊棚の供え物などを売る草市(盆市)は、秋田市内では保戸野通町と馬口労町で古くから続いているが、往年の情緒を今に残す草市は、馬口労町だけになってしまった。馬口労町通り盆花(精霊花)盆の数日前に山に入り花を採ってくる行事は「盆花折り」などと呼ばれ、山にいる祖霊は盆花に乗って家に帰ってくるとの言い伝えもある。本...

  5. 松倉家住宅・馬口労町

    秋田市旭南二丁目一部二階建・和小屋構造・妻入造市指定文化財松倉家は江戸時代からの商家で、明治初期より大地主としても栄えた。馬口労町(ばくろうまち)の角地に位置する住宅は、明治三十六年の建築だが、江戸後期以来の秋田地方の町家形式をよく伝えた完成度の高い大型町家であり、内外ともに改造も少なく保存状態も良好な現役の住宅である。太い梁首を突きだした破風、屋根の笠木も張り出し、右には秋田では珍しい卯建(うだ...