二〇世紀ひみつ基地

  1. スクリーンによみがえる昭和39年の秋田市

    11月9日(水曜日)秋田市文化会館大ホールにて、高度経済成長期の活気あふれる秋田市を舞台とした青春映画『十七才は一度だけ』(昭和39年・大映)が無料上映される。秋田工業高校OBの秋田市職員で結成された「市役所金砂会」50周年記念事業の一環として開催するもので、すでに往復葉書による申し込みは終了しているが、余裕ある会場なので当日でも入場可能かもしれない。開場は午後6時、上映は6時半から。十七才は一度だけ解説...

  2. 小鳥のおみくじ芸・伝統の見世物

    千秋公園のお花見の露店だったろうか、子どもの頃、小鳥使いのおじさんがあやつる「小鳥のおみくじ芸」を見た。舞台はミニチュアの神社。硬貨をくちばしで受けとった小鳥が参道を進み、さい銭箱にお金を落とし、お宮の鈴を鳴らして扉を開けて中に入り、おみくじをくわえて出てくる。足でつかんだおみくじをくちばしで開封して一仕事終えた小鳥は、おじさんの手から、ご褒美の餌をもらって鳥カゴにもどる。そのかわいらしい一連の仕...

  3. 川反に怪しき“人造人間”現る!

    昭和六年 新聞広告(部分)戦前まで川反五丁目にあった映画館「演芸座」の新聞広告。ロボット来る!大実演当年一歳 身長八尺 重量五十二貫尖端をゆく グロレビュー 人造人間関東大震災、そして世界恐慌を経た昭和初期、深刻化する社会不安を背景に、退廃的な「エロ・グロ・ナンセンス」の風潮が広がり、カフェーやダンスホールなどが流行する街角にはモガ・モボ(モダーンガール・モダンボーイ)が闊歩し、新聞の見出しにも「エ...

  4. 秋田劇場に「飛び出す活動写真」現る

    大正十三年 新聞広告世界の大驚異不思議な眼鏡を通して画面実物が客席に飛出す一大大発明!映画界の大革命飛び出す活動御客様方にもれなくこの不思議な眼鏡を差上升ジェームズ・キャメロン監督の最新作『アバター』で話題になっている3D映画の原点といえるアナグリフ式立体映画が、大正十三年(1924)八月、秋田市柳町の秋田劇場にて公開された。観客は受付で片目に青セロファン、片目に赤セロファンが貼られた紙製の眼鏡を受け...

  5. 観よ!映像の驚異「飛び出す映画」

    ●立体映像とアブドーラ・ザ・ブッチャー先日、秋田駅東口のアルヴェ隣に移転した、NHK秋田放送局の新会館で立体ハイビジョンの公開があった。人間の左右の眼にあたる二台のカメラで撮影した映像を、二台のプロジェクターで暗室に設置されたスクリーンに投影し、観客は偏光眼鏡をかけてスクリーンを観る。自然な奥行きをみせるリアルな映像は、今まで体験した立体映像を遙かにしのぐもので、とくに実際にダイビングしているよう...

  6. 秋田劇場に「メトロポリス」がやってきた・活動写真

    秋田劇場・秋田市柳町昭和四年(1929)四月、松竹座で日本初上映された、SF映画黎明期の傑作「メトロポリス」が、同年の九月、秋田市柳町の秋田劇場に於て封切られ、弁士(べんし・無声映画の解説者)として、かの高名な泉天嶺が来秋し名調子を聞かせた。新聞広告 昭和四年「新秋を彩る世界的大名画上映百年後の世界」など横書きの文章が、戦前の慣行だった右横書き表記なのに対して、カタカナの「メトロポリス」だけが珍しく左横...