二〇世紀ひみつ基地

  1. 木内デパートのおばあちゃん社長

    子どものころ木内デパートに行くと、あの名物おばあちゃんの姿をよく見かけたものだ。 小さな商店をさまざまな困難を乗り越えて、秋田を代表するデパートにまで育てあげ、社員からは母と慕われたおばあちゃんのスタイルは、着古した着物にすり減った草履、知らない人が見たら誰もこの人物が社長だとは気づかなかっただろう。しかし、その姿からは、なにか凛とした気品のようなものが漂っていた。 木内トモは、明治二十年(1887)...