1. 東北の南洋・常磐ハワイアンセンター

    常夏の島ハワイが、まだまだ庶民には手の届かない、夢と憧れのパラダイスだった昭和四十年代初頭、白黒テレビジョンからは毎日のように、東北は福島に誕生したバーチャル・ハワイ「常磐ハワイアンセンター」のCMが流れていた。激しい太鼓のリズムにのせて腰を振り、フラを踊る腰蓑姿の女性たちの姿に、目がくぎ付けになったものだが、輝く笑顔を振りまくダンサーやそこで働く人たちが、つい最近まで炭鉱労働者と、その家族だった...

  2. 戦争に行ったモノたち・旧秋田銀行本店

    秋田銀行本店営業部 大正期の絵葉書より大町三丁目に残る明治の洋館、旧秋田銀行本店(赤れんが郷土館)の、客溜まりから営業室を撮った写真であるが、現在とはだいぶその印象が異なる。営業室のカウンターには、ご覧のような鋳鉄製のスクリーンが設けられ、吹き抜け二階部分の四方にめぐらされた回廊もまた鋳鉄製であった。しかし、戦時中の金属供出に協力して撤去され、木製のものに取り換えられてしまう。スクリーン・部分拡大...

  3. ライオンが殺された日・千秋公園児童動物園

    昭和四十五年(1970)十月十九日、千秋公園の秋田市立動物園からライオンが脱走し、射殺されるという事件があった。年老いて性格も穏やかなライオンは子どもたちの人気者だった。秋田魁新報、朝日新聞秋田版より十九日朝八時過ぎ、ライオンのオリを清掃した飼育係が、鍵を閉め忘れ、気がついたときには、裏手の扉からライオンが抜け出していた。係員はすぐに秋田署と、たまたまその日は休みだった、ライオン担当の飼育員に連絡。そ...

  4. 樅の木は残った・千秋公園

    「千秋公園舊馬場ノ景」と題された大正初期の絵葉書より季節は夏だろうか、大正から昭和初期にかけて流行した、麦藁のカンカン帽をかぶった着流しの男たちが、旧馬場の並木道を歩いている。場所は千秋公園二の丸、旧児童動物園から弥高神社のあたり。並木はモミの木。藩政時代、この一帯には、厩(うまや)役所、厩、馬場(馬術訓練コース)があり、馬場の両側にはモミの木が植えられていた。秋田市千秋公園鳥瞰図より(発行・昭和...

  5. 昭和色のネオン・タクシーあさひ

    2003.07駅からポポロードを進み、かつては金座街があった買い物広場を横切り、アーケードを抜けると、右手に昭和レトロ建築「タクシーあさひ」。会社が創立された昭和二十七年ころの建築と思われる。周囲の景観はいちじるしく変化しても、部分的に改装されてこそいるが、ここだけは昔と変わらぬ姿をみせていた、なじみ深き建物も、とうとう取り壊されて新築となった。2006.5二階が「あさひタクシー本社」、一階のテナントには、稲...

  6. 川反五丁目小路・定点観察

    2004.03川反に残された小路で、もっとも奥行きがある「五丁目小路」。その入口を飾っていた、昭和の香り漂う看板が外されたのは昨年末のこと。2005.11最近になって小路の北側の長屋が取り壊された。2006.05その跡地にはビルが建つのだという。南側はすでにビルになっており、古きよき小路の面影もしだいに薄れてゆく。2004.032004.03看板の裏側...

  7. 千秋公園・秋田招魂社

    秋田市 千秋公園内 招魂社(大正期)千秋公園お隅櫓の下、本丸の北側にあった招魂社。勝平得之「招魂社」(千秋公園八景)昭和八年明治二年(1869)、戊辰戦争の官軍戦没者をまつるため、秋田市寺内・高清水の丘に建立される。明治二十六年(1893)、火災により焼失し、翌二十七年仮殿を建てる。明治三十二年(1899)、千秋公園に再建される。昭和十四年(1939)、招魂杜は内務大臣指定「秋田県護国神杜」と改称され、翌十五年、...

  8. 川反四丁目夜景

    昭和三十年頃の絵葉書から右手に「都鳥」、左手の店には「若葉」の行灯看板。昭和三十年度版『商工名鑑』によれば、「都鳥」は川反四丁目となっているが、四丁目のどこにあたるのかは分からない。カラー写真が印刷物に使われるのは昭和三十八年ころから。それまで行われていた、モノクロ写真を元に色分解した着色印刷は、絵画のようなレトロな味わいがあるのが特徴である。この写真の原版には、雲も月も、二人の芸妓も写ってない。...

  9. 子供の日、金魚貰いに木内へ

    子供の日といえば、デパートや商店では金魚やヒヨコを用意して、子どもたちにプレゼントするのが恒例だった時代、その日を心待ちにしていた子どもたちは、朝早く起きて開店前から行列をつくった。昭和二十九年の秋田魁新報には、子供の日の数日前から「木内」が子どもの心をときめかせる広告をだしている。新聞広告 昭和二十九年(1954)牧歌的なイラストが、のどかな時代の雰囲気をよく伝えている。この秀逸なイラストの作者は、...