1. 三重苦の聖女ヘレン・ケラーの秋田犬

    欧米で「Akita」といえば、日本の地方都市の名称である前に「秋田犬」の代名詞。試しに画像検索エンジンで「Akita」を検索すると、まず最初に秋田犬の画像がずらりとならぶ。Akita - Google 画像検索一匹の秋田犬がはじめて海を渡った昭和12年(1937)4月、幼いころの病気が原因で眼と耳を患い、光と音を完全に失いながらも、家庭教師アン・サリヴァンによる献身的教育のおかげで奇跡的に障害を克服、社会活動に生涯をささげた、...

  2. 消える昭和・掘端の中華料理店

    2003.11千秋公園の近く、古川掘端通りの掘端に建つ中華料理の名店「萬帝楼」。少し前に、しばらくの間休業するとの貼り紙が出ていたが、やがてその貼り紙も消え、先日から取り壊しが始まり、更地になってしまった。昭和46年(1971)の開業というから、40年近くこの場所で営業していたことになる。閉店の経緯などは下記コメント欄に記載あり。2009.10 「萬帝楼」跡 正面の新しい建物は、「萬帝楼」の隣りに数ヶ月前にオープンしたハ...

  3. 映像作家ヴィンセント・ムーン、友川カズキに迫る

    フランスの人気映像作家ヴィンセント・ムーンが、感動を覚え注目するアーティストのビデオ・クリップを撮影し、音楽映像配信サイト LA BLOGOTEQUE で公開するプロジェクト The Take-Away Shows に友川カズキが登場。この早春(2009)に来日し、大阪で撮影したものだ。 パート1の冒頭からバックに流れる曲は「海みたいな空だ」。つづいて、かつての遊郭街・飛田新地に建つ料理屋「鯛よし百番」の和室で、最新アルバ...

  4. フック船長の紙芝居屋さん

    牛島商店街の貸本屋「牛島文庫」は、紙芝居屋を兼ねていたのか、それとも紙芝居を貸し出していたのか、店のわきに紙芝居を乗せた自転車を停め、腰をおろしてタバコで一服するおじさんの姿をよく見かけた。楢山・牛島界隈を縄張りとするその紙芝居屋は、胸の前にぶらさげた大太鼓を打って、歩きながら子どもを呼び込み、紙芝居中に肝心な場面で入れる合いの手も「ドン!ドン!」と太鼓を鳴らす。おじさんの片手は戦争で失ったのだろ...

  5. 朝もやの乳白色に「明がらす」舞う

    大館市御成町・山田桂月堂製子どもの時分、よく手土産にもらった、大館銘菓「明(あけ)がらす」。明治17年頃、京都銘菓「寒氷(かんごおり)」を手本につくられた、羊羹状で乳白色の半生菓子。当時、桂城小学校の校長であった俳人・羽生竹亭氏が試食し、純白の生地にちりばめられたクルミの断面を、朝もやのなかを飛翔するカラスに見立て「明がらす」の名をつけたと伝えられる。原料は砂糖と寒天とクルミ、シンプルだが製造には手...

  6. 『なんでも寒天で固める国、秋田』と「あさづけ」

    9月12日の午前中から、当ブログへの検索キーワードのうち「秋田 あさづけ」の件数が急上昇、どうやら「@nifty:デイリーポータルZ」の「なんでも寒天で固める国、秋田」(全3ページ)という記事が原因らしく、県北出身の記者は「あさづけ」を知らなかったという。タイトルにあるように、メインは「秘密のケンミンSHOW」でも紹介された「サラダ寒天」など、寒天系デザートのレポート。いわれてみれば、ほんとうに秋田には寒天を...

  7. ヤマキウに麒麟ビールの宣伝カーがやって来た!

    小玉合名会社秋田支店・大正末頃飯田川町の小玉合名会社(現・小玉醸造株式会社)の支店として、明治四十一年、秋田市中亀ノ丁(現・南通亀の町)に開設。前掛けをした社員たちがカメラを向く、洋風建築店舗の前に、ヤマキウ印の味噌樽が置かれ、「太平山」の酒樽を積んだ大八車と、ビールの木箱らしきものを積んだ配送用自動車が停まっている。明治四十五年の春、この店の前にビール瓶をかたどった麒麟ビールの宣伝カーが停まった...

  8. 花蜘蛛の花に紛れて待ちぼうけ

    在来種を圧倒して繁殖する嫌われ者の帰化植物・オオハンゴンソウ(大反魂草)の、もりあがった筒状花の下に身を隠し、脚を広げて獲物を待つハナグモがいた。(画像左上)植物に同化した透き通る緑色の脚にそっと触ると動きだし、美しい全身を見せてくれた。腹部に宇宙人の顔のような斑点がある(無い個体もある)ことから「人面蜘蛛」などと騒がれたりもするが、さして珍しいクモではない。その斑点のバリエーション(表情)の多彩...

  9. 秋田 ある食堂の物語・あきこうまえ茶屋

    NHK 総合テレビ2009年10月9日(金)午前0:10~0:30放送ドキュメント20min.「僕たちの放課後 ~秋田 ある食堂の物語~」秋田市内の住宅街にある「秋田工業高校」の校門前に、素朴なトタン屋根の定食屋がある。メニューは「から揚げ丼」「たまごかけご飯」など、全て 100円から300円。安くてボリュームのあるメニューは高校生たちから大人気で、朝7時から夜9時過ぎまで、部活や受験勉強に疲れた生徒たちのたまり場となっている。店...

  10. 秋田市上空に巨大龍神現る

    二丁目橋から北東を望む2009年9月30日夕刻、秋田市上空に地震雲をも連想させる不思議な雲が見られた。太平山の方向(北東)から日本海方面(南西)に、見上げれば巨大な龍神の如く、はてしなく放射状につづく厚く巨大な雲海、そして天空を真っ二つに分断した北側には青空がどこまでも広がる。ランドマーク秋田より南西を望むランドマーク秋田より北東を望むランドマーク秋田より南西を望む少し不気味で幻想的な雲海は、刻々と色調...

  11. つりばなのはぜて赤き実夕間暮れ

    ニシキギ科ニシキギ属ツリバナ(吊花)の実藩廟の跡・千秋公園にて赤く熟したツリバナの実が割れて、今にも落ちそうな赤い実をぶら下げる秋。ツリバナの花五月頃に開く、すこし紅をさした淡緑色の花は気品があり、秋にはぜる赤い実とともに、茶席を彩る茶花として好んで用いられる。吊り下がって咲き、実をつけるその姿から、ツリバナの名がつけられた。...

  12. 新しき朝を報(しら)せよラジオ塔・秋田市千秋公園

    ■昭和の近代化遺産「ラジオ塔」の時代●千秋公園に謎の塔千秋公園入口の秋田県記念館に隣接する花園を写した昭和初期の写真。惜しくも焼失した秋田県公会堂の跡地を整備した花園で、右手にみえる建物が記念館の側面。一見なんの変哲のない光景ではあるが、ベンチの向側、柵で囲まれた花壇らしき場所の中央に、屋根のある塔のようなもの建っているのが気になる。まるで地下室の換気塔のような謎の構造物は一体・・・・・・。その謎を解く鍵...