昭和残影「オリンピック釣具店」川反一丁目
2019年6月初旬のこと、通町通りから川反通りに入ってすぐ、目の前の町並みに何か違和感をおぼえた。
▲秋田市川反一丁目(大町一丁目) 2019.06
しばらくシャッターが閉じたままの状態が続いていた「オリンピック釣具店」が、2020 東京オリンピックを待たずして解体されて、駐車場に様変わりしていたのだ。
▲川反一丁目 2004.03
▲2004.03
もう50年近く、川反一丁目のシンボル的存在であった、壁面に大きく「つり具」と、丸ゴシック体で描かれた、アイキャッチ効果抜群の看板は、店舗改装の際、手を加えずに保存されたが、二階に新設された窓で文字が分断された。
▲2010.08
▲2018.11
▲昭和33(1958)年
1955(昭和30)年「オリンピック釣具店」創業。その当時北隣に、湖沼や河川から切り出した天然氷を貯蔵する氷室(ひむろ)が残されていたが、その話はまたいつか。
店名の由来は「植野精工」が手がけたリールの人気ブランド「オリムピック」(オリンピック) だろう。ブランド・マークは「五輪にトビウオ」。
▲昭和12(1937)年「植野リール製作所」広告
▲昭和18(1943)年「植野リール製作所」広告
日本におけるリール製造のパイオニアで「ダイワ精工」と双璧をなす釣具メーカーであった同社は、1961(昭和36)年「オリムピック釣具」次いで「オリムピック」と改称、1992(平成4)年「マミヤ光機」と合併し「マミヤ・オーピー」となるが、2000(平成12)年、釣具事業から撤退。
大阪に本社を置き、釣具・ゴルフシャフトなどを製造販売する「オリムピック」は「マミヤ・オーピー」の和歌山県すさみ工場を引き継ぎ、2001(平成13)年に創業された別会社だ。
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