三丁目大蒜亭焼失す

川端たぬき

九月二十日午後九時ころ、秋田市大町三丁目、赤れんが館(旧秋田銀行本店)向いの「大蒜亭」から出火し、木造二階建ての店舗を全焼した。

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「三丁目ラーメン」を改装して「大蒜亭」になったのは1980年前後のことだったろうか。年輩の人たちには昔の名前の方が通りがよい。夜遅くまでやっているため川反帰りの酔客が多い店だった。

「三丁目ラーメン」の時代、焼き物を担当していたおじいさんがいて、この人の作る焼肉のタレは他にはない絶品だった。薄汚れた店が改装され名前が変わったとき、長年使い込まれた調理用具までも新調したため、一時期、味が落ちたことを憶えている。フライパンひとつがこんなに顕著に味覚に反映するとは思ってもみなかった。

そのころ学校帰りに座敷で遊んでいた二人の子供たちは、いつの間にか成長し、店の手伝いをはじめ、やがて嫁いだ女の子は子供連れで姿をみせるようになった。

ずいぶん長いこと寄ることもなかったが、焼失の報を聞いてから、無性にこの店の「ホルモン炒め定食」が喰いたくなってきた。早期の再建を祈る。

Comments 4

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  • 2005/09/25 (Sun) 00:23
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yoshio matsuno

同じく大町3丁目の出身の者です。子供の頃から、家族や友人と、近場で飯を食うといえば大蒜亭でした。
今は東京に住んでいますが、帰省すると必ず『川反で大酒→大蒜亭でシメ』が、大町3丁目出身の僕の定番でした。友人から「今、大蒜亭燃えてるや!」と電話速報を聞いて愕然としました。
東京では薄味のラーメンが多く、大蒜亭のラーメンで育った僕には、数年に一回大蒜亭に行くのが楽しみでした。
早く復活しないかなあと願っています。同じ町内の人間としても…
オヤジさん火災保険ちゃんと入ってたらいいなあと、心配しています。

たふらんけ。

yoshioさん

むかしから通っていた愛着のある店が無くなることは淋しいものですね。
あの付近では、すずらん通りの「喫茶林道」、
最近は「さんや」の隣りの「あげや」が閉店してしまいました。
さらにさかのぼると、すずらん通りから旧秋田郵便局へ曲がる角にあった
「ペルシー」は安くてうまい洋食屋さんでした。メニューには
トンカツではなく、トンプラという豚肉のテンプラなどがありましたね。

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  • 2008/10/21 (Tue) 12:27
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