ドラマ『東京タワー』の主題歌『東京』

川端たぬき

リリー・フランキーのベストセラー小説『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』がドラマ化され、フジテレビ系で放映されるが、その主題歌は、秋田出身のフォークトリオ「マイペース」が、70年代にヒットさせた「東京」。

地方在住者の「東京」への強い憧れを唄った、ノスタルジックかつセンチメンタルな原曲を、今回は沖縄出身のBEGINがカバーする。



昭和町の羽城中学校同期生で「ザ・リップス」を結成した三人は、やがて、60年代末から70年代、秋田フォーク界の中心人物であった山平和彦とめぐりあい、山平のバックバンド「ザ・ラブ」として活躍。1974年、山平プロデュースによる「東京」でデビューするや、オリコンシングルトップ100に45週連続登場というロングセラー、フォークソングでは異例の100万枚を越えるミリオンヒットを記録。

その後は目だったヒットのない、いわゆる「一発屋」に分類されるアーチストであるが、今も現役の森田貢を中心とするメンバーが紡ぎだす、繊細な詩世界と、ストレートな歌声による楽曲には、かくれた名曲も多い。

作詞者である森田の恋人は、秋田を離れ東京で仕事をしていてる。休日になれば電車に乗って、その人のいる東京へ会いに行くという、実話にもとづいた歌である。



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しかしそれは、歌詞を読めばわかるように、秋田からの視点で描かれたわけではない。名古屋で東海ラジオの深夜番組のDJなどで人気を得ていた山平和彦をたよって、「マイペース」の三人が岐阜に移住した、1973年以降に生まれた曲であることが、森田のサイト(後述)でも明かされている。

「マイペース」も、そのヒット曲「東京」も、山平の存在が無ければ、世に出ることもなかったけれど、自らはヒットとは無縁であった彼にとって、その大ヒットは複雑な心境だったのではないだろうか。

その全盛期、「神様」とだけ印刷された名刺を持ち歩き、それが似合うほどのカリスマぶりを発揮していた山平和彦は、2004年10月、都内の自宅付近で轢き逃げ事故にあい、五十二年の生涯に幕を下ろし、ほんとうの神様になってしまった。

検索してみたら、2001年の竿燈期間中、森田貢以外はオリジナルメンバーではないが、「マイペース」名義で、サンパティオ大町の中庭にてミニコンサートを開いている事がわかった。これは知らなかったなぁ。

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マイ・ペース | マイペースな奴ら
森田貢 マイペースな奴ら

アルバム「東京」試聴
1994リリース

山平 和彦
略歴とディスコグラフィ



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三代目若旦那

6月24日、土崎ポートタワー・セリオンにて
「山平和彦・藤澤るみ還暦さとがえりライヴ」
が開催されます。僕も出演するかもーw

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  •  マイペース「東京」
  • 24日のスマスマに広末涼子&リリー・フランキーが出演していました。「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」ドラマ化の番組宣伝だったようですが、これって、放送延期になったんですよね。
  • 2006.07.26 (Wed) 11:15 | KazuStyle