祭りの神髄・土崎湊祭り

曳山 2004
土崎神明社の例祭は、秋田市を代表する祭りであり、これを見ずして秋田の祭りを語ることはできない。
秋田市を代表する祭りといえば、まず竿燈を連想するかも知れないが、竿燈は祭りというよりも、七夕の伝統行事から発展した民俗芸能的色彩が濃い。
「祭り」の語源は、神に「まつらふ(服ふ)(順ふ)」=「服従・付き従う」ということであり、それを主宰する神霊、または神社が存在しなければ本当の「祭り」とはいえない。
竿燈の当日の朝、八幡秋田神社でお祓いを受け、霊符の付いた御幣を授かり竿のてっぺんに飾るが、これは昭和六年に竿燈会が結成されてからのことで、それ以前の御幣は各町内の氏神様から頂いたり、それぞれの町内で自作したものであった。
それでも竿燈も広義の「祭り」に分類される。しかし、外町で一夜だけ行われていた竿燈が、二日、三日と延長され、今では四日間の「観光のためのイベント」と成り下がり、演技する人たちが疲労困ぱいしている様は、地域住民の楽しみである、本来の「祭り」の姿からは遠くかけはなれている。

振り棒 2005
重要なコントロール係
躍動感あふれる「寄せ太鼓」のリズムではじまり、ゆったりと流れる「湊囃子」、そして哀調をおびた「あいや節」で締めくくられる、お囃子の演奏にのせて、神の依り代である華やかな曳山(やま)が、車輪をギシギシと軋ませて運行され、その合間には各町内それぞれの特徴ある「演芸=踊り」が、揃いの浴衣で披露される。
演芸は「秋田音頭」「みなと小唄」などの伝統的な民謡から演歌調のもの、戻り曳山で披露される野趣あふるる「ドンドゴドッケ(盆踊り)」と多彩で、一日中見ていてもあきることがない。

演芸 2004
土崎の祭りは、「喧嘩祭り」といわれるほど荒っぽく、それだけで敬遠する向きもあるが、それは一面であり、優美と過激、静と動の両面がちりばめられ、「これぞ祭りの神髄」といっても過言ではないほどの充実ぶりをみせてくれる。

戻り曳山 2005
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関連リンク
土崎神明社公式サイト
土崎港曳山まつり実行委員会
港ばやし旭鳳会
高音質のお囃子が聞ける
土崎港曳山まつり 旭町二区ホームページ
画像、動画とも豊富
今年、旭町二区は曳山を奉納しないため、高さ約12メートルの置き曳山を飾っている
平成17年奉納曳山(北都銀行)
土崎のお祭り
私は優雅さと荒々しさが共存するところが好きです。
地域住民の盛大な祭りという雰囲気がとてつもなく良いです。