あさづけ・米のデザート

地域によって「こざき練り」「粉なます」などとも呼ばれ、農作業の疲れをいやし、祝儀、不祝儀など人の大勢集まるときのお茶うけとしても使われるごちそうであった。
水にひたしたうるち米を、すり鉢やミキサーで砕き、水を加えてとろ火にかけ透明になるまで練り上げる、冷ましたあとに砂糖・酢を少々加え、野菜、果物などで彩りを添える。
「あさづけ」はもともと、玄米を精米したあとに出る粉を利用した精進料理らしく、うるち米のほか、もち米、白玉粉を利用する場合もあり、添えられる具は、最近は果物が多いが、古くは、キュウリ、カブの塩漬け、枝豆 、山葵の茎などの野菜が主体だったという。
「あさづけ」は生米を臼または、すり鉢でつぶして、ランダムな粒状を少し残してつくるもの。しかし、現在市販されている「あさづけ」のほとんどは、手間を省くためか市販の上新粉を使っている。上新粉の「あさづけ」は舌触りがトロリとなめらかで上品な食感であるが、本来の「あさづけ」がもつ食感、ザラリとした野趣が消えてなんだかものたりない。やはり自家製のものがいちばん。
我が家の「あさづけ」には、キュウリと缶詰めのミカン、リンゴのスライスなどが添えられていたが、最近は果物の種類や量が多すぎて、主役の米の風味を殺している場合も多い。これでは主客逆転である。
「白玉」と同様に、子どものころはこれが出るのが楽しみで、子どもたちも米をすり鉢でつぶすのを手伝ったりしたものだ。
その当時は市販のおやつよりも、「白玉」「あさづけ」のほかに「バッタラ」(米粉や小麦粉でつくる膨らまない和製ホットケーキ)など、母親の手づくりのものが多かった。子ども等はその製作過程を、完成を待ち遠しく見つめ、ときには手伝う。それは最近取りざたされている「食育」にも通じる、楽しくもかけがえのない体験であった。
あさづけ販売
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関連リンク
あさづけの作り方(雄和)
あさづけ和風デザート(タカヤナギ提供・ウィークリーレシピ)
こざき練り(あさづけ)雄勝町食生活改善推進協議会
あさづけレシピ(食の国あきたネット)