歓喜寺の地蔵さん・寺町にお別れ

07.01
百四十余年のあいだ秋田市寺町に立ち、人々の祈りと思いを一身に受け、外町のほとんどを類焼した明治十九年の大火をくぐり抜け、移ろいゆく街並みと人の世の流れを眺めつづけてきた、背中に元治元年(1864)と刻まれた歓喜寺門前の地藏さん。

07.01
数年前に目の前の小路が拡げられ、そうこうするうちに墓石がトラックで運ばれていき、お寺が取り壊されて、夏の日差しを優しくさえぎってくれたケヤキの大木も切り倒されてしまい、そして最後に残された地藏さんも、永年住み慣れた寺町から下北手の新しいお寺に運ばれていった。移転先の門前は人通りもなく淋しい。

05.02

03.09


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