消える昭和・新国道沿いレトロ商店

新国道沿い山王十字路近く。昭和十八年建築という雑貨食品類を扱う木造レトロ店舗「小野商店」。
今は実質、自販機のみの開店休業状態で、経営する老夫婦はボケ防止のため、体の動くうちは店を開けるとのことだったが、とうとう解体工事が始まった。
開店当時、道をはさんだ西側は見渡すかぎりの田圃が広がり、隣の社会福祉会館のあたりも、寺の裏側に沿って田圃が、戦後しばらくのあいだ残っていた。「小野商店」の脇から東に延びる道路は、寺院を取り壊して昭和三十年代末に開通している。
間近にあった、通称「常盤町」と呼ばれた遊廓街(戦後は赤線)で働く姐さんたちも、この店の常連だったに違いない。

店内にあった「スゞヤのパン」とペイントされた陳列ケース。「スゞヤ」は、かつて秋田を代表するパン屋だった。
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旧・小野商店