2007 PMA・ゆく夏に名残る暑さは
ザ・パワーオブミュージックフロムアキタ
07.09.02
時間軸に沿って

山王中学校吹奏楽部・パーク大町24

ウクレッツ・あくら

C's Club・ニューシティ

オチャノマチックス・せきや
今年は「ダースコちんどん隊」の出演がなく、あのめくるめく大道芸的パフォーマンスがみられないのが淋しい。というわけで、ほかのバンドのなかでいちばん「ダースコちんどん隊」のコンセプトに近いと想像される「オチャノマチックス」を鑑賞。前々から気になっていたものの、タイミングが合わずに見逃していたバンドで、ジャンルは「スカ、昭和歌謡」。
かねての予想にたがわず、独自の世界観のあるパフォーマンスをくりひろげる、また聞きたくなる楽しいバンドであった。

ライブ中に珍客の乱入あり。「赤い鳥」が唄った70年代の名曲「白い花赤い花」を演りはじめたら、音楽に導かれるかのようにドブネズミのミッキーちゃんが下手から現れ、アスファルトに膝をついて鉄琴を叩いている女の子のかたわらに立ち止まり、その場にじっとしている。それにも動じず演奏をつづける彼女のプロ根性ならぬアマ根性が立派。

誰かに飼われていたかのように、人に動じないミッキーちゃんは、曲が終わったあと、スタッフに追われて動きだし客席の方へ。観客の悲鳴のなか、すっかり主役を奪ってネズミーランドへ消えていったミッキーちゃんであった。

LENNY・竹半駐車場
午前中は薄曇りの合間から青空ものぞかせていたが、午後から雨がぱらつき始める。「LENNY」の演奏途中で雨足が強くなり用意していたテントを移動させて続行。
天候に左右される野外のライブで、特に電気に頼らざるをえないロック系のバンドにとって、雨ほどやっかいで危険なものはない。
「LENNY」の次回ライブは、ヤマハ秋田店の主催する「おどばん ~其の二~」で、対バンに「ダースコちんどん隊」も出演とのこと。会場は駅前の LIVESPOT2000 。詳細は下記リンクで。
「おどばん ~其の二~」
LIVESPOT2000

サンパティオ大町
小降りになった雨も、三時過ぎ頃から再び強まり、観客は屋根のある後方に退避。

チアーズ・サンパティオ大町
雨も上がったポップス系の会場、サンパティオ大町のトリ「チアーズ」。
冒頭にユーミンの荒井由実時代の「晩夏(ひとりの季節)」。夏の終わりの季節ににふさわしい選曲が心憎い。70年代にNHKドラマの主題歌として流れていたこの曲を聴くと、あのころの記憶が時代の空気とともによみがえってくる。
:晩夏(ひとりの季節)歌詞
ユーミンは荒井由実時代がもっとも良い曲をつくっている。ことにこの美しい日本語がちりばめられた楽曲は、グラディーションを描くように、空色が紅く染まり、やがてしじまにとけ込むまでの時間の経過を、晩夏から初秋にかけての季節と、思春期のセンチメンタルな心情になぞらえて描きだす、晩夏の夕暮れの情景が目前に浮かぶような名作だ。
時間と季節の移ろい、人の心の移ろいが重層的に表現された詩の世界は、日本人の諸行無常観に通じるものがある。
「チアーズ」のつむぎだす音楽が流れると、「チアーズマジック」とでもいおうか、一瞬にして場の空気が和むように感じる。「癒し」という言葉は使いたくないが、それと同様な雰囲気と幸福感。そこには人に快適感を与える「1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ」のような現象が関与している可能性もあるが、ただ単に自分の感性に合っているだけかも知れない。その人が好きな曲が、その人にとっていちばん心地よい音楽なのだから。
それは「愛してるよ!!」という、聞いているほうがちよっと気恥ずかしくなる決めゼリフに集約されているようにも思える。音楽に対する「愛」も含めた、「愛」のエッセンスが音霊(おとたま)と言霊(ことたま)にのって聴衆にとどけられる。それが「チアーズマジック」の秘密なのではないか、などと妄想してみる。
楽しい時間はまたたくまに過ぎ去ってしまう。タイムスケジュールに追い立てられ、アンコールの余裕もないのは、この手の音楽祭にありがちなことだが、しめくくりに「チアーズ」を聴けたことで良しとしよう。
秋田わか杉国体の期間中、アトリオンで開催される「ふるさと文化ライブハウス」というイベントに「チアーズ」も参加するとのこと。
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関連リンク
オチャノマチックス
チアーズ オフィシャルサイト
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