シベリアケーキは大正ロマンの香り

先日、スーパーで「シベリア」という商品名の「シベリアケーキ」(たけや製パン)を発見。その名は知っていたが実物を見るのははじめて。

「シベリアケーキ」とは、大正から昭和にかけて流行した、羊羹または練り餡を、カステラまたはスポンジケーキでサンドした和洋折衷のお菓子、オリジナルは三角形で、「シベリア」または「シベリアパン」とも呼ばれている。
明治後期から大正初期頃から、東京周辺のパン屋で製造販売され、カフェーの前身であるミルクホールでも人気のメニューだったという。

「カステラがシベリアの雪原で、羊羹がシベリア鉄道を表す」、「カステラがシベリアのツンドラで、羊羹が黒竜江を表す」、「日露戦争に従軍した菓子職人が創作した」など、「シベリアケーキ」というネーミングの由来については諸説がある。
あがた森魚が昭和48年にリリースしたアルバム「噫無情 / レ・ミゼラブル」に収録された「最后のダンスステップ(昭和柔侠伝の唄)」という曲に、「シベリアケーキ」が登場する。

この曲で「シベリアケーキ」という言葉を初めて耳にした頃はまだ、往時のモボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)たちに愛された、エキゾチックな名を持つ未知のお菓子について、さまざまに思いめぐらすのみ。
それから35年の歳月を経て出逢った、たけや製パンの「シベリア」は、羊羹とスポンジのコンビネーションがマッチして食べ応えがあり、どこか懐かしさも感じさせる、B級グルメチックなお菓子であった。
一時はほぼ絶滅状態になっていた「シベリアケーキ」、最近になって復活させる店が増え、関東に限定されていた販売地域も、山崎製パンが限定販売するなど、全国的にメジャーになりつつあるようだ。
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NHKタイムスクープハンターにシベリアが登場
川端たぬき様
今年もよろしくお願いします。
お元気でしょうか?
ところで、年明けの 2日、4日と大好きなNHKタイムスクープハンターがスペシャルで放送されました。「緊急指令!守れ秘伝の味」のタイトルでうなぎの蒲焼きについて、江戸時代と大正時代にまたがる過去にない構成でしたが、中に2回、シベリアが登場しました。1回目はチンピラ風の男が、「今シベリアを食ってきた。」と言葉だけの登場。続いて、朝の連続テレビドラマ、ごちそうさんの杏さんが、め似子役のまま、公園でシベリアをぱくついている場面。
杏さんはタイムスクープハンターの登場人物でもあるので、一人二役の粋な脚本でした。
大正時代をあらわす小道具としてシベリアが登場しましたが、私も、二〇世紀ひみつ基地の読者?なればこそ気がつきましたが、全国的には、何のことだか、わからない人が多かったかもしれません。
川端たぬき様の幅広い知識に感謝です。
ですから、次の記事のアップを心待ちにしています。
PS、今、思いつきましたが、タイムスクープハンターの脚本家も二〇世紀ひみつ基地の読者だったりして??。