植木市とセントラルデパート・1972

八橋運動公園
恒例の植木まつり(植木市)の季節である。
植木まつりが始まった昭和30年代からずっと、千秋公園入り口の中土橋が会場だったが、秋田中央道路(地下道)の工事で八橋に移転、工事完了後も中土橋に帰ることはなかった。
中土橋に所狭しと展示して開かれる植木市は、新緑まぶしき千秋公園の歴史的風景と相まって、おもむきのある五月の風物詩であった。八橋公園内の会場は広く駐車の便も良いが、中土橋のような情緒がない。

72.05
昭和47年(1972)の植木まつりの一コマ。休日の昼下がり、大勢の見物客でにぎわう中土橋の正面に、派手な看板をみせているのが、広小路の「秋田セントラルデパート」。

このときの大看板には、60年代末から70年代にかけて流行したヒッピー文化から発生したフラワームーブメント調の「ナウい」イラストがペイントされている。

雑誌広告より 1970
初期は三階に、千秋公園を借景にした展望の良い大食堂の他、イベントスペース、スロットレーシング場、ゲームコーナー、森永ミルクスタンドなどがあった。
昭和40年(1965)、市内の小売業者が協同組合を結成して立ちあげた「秋田セントラルデパート」がオープン。開業当初から経営不振が続き、70年代に全面改装、ターゲットを若い女性に合わせて一時は成果をあげている。
平成3年(1991)、株式の九割を売却し不動産会社が経営権を取得、翌平成4年、新菱グループの手に渡り、平成6年(1994)「セントラルビル」解体、跡地は駐車場となった。
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