川尻の鹿嶋祭り

秋田市祭事記・初夏(三)

秋田市川尻地区の鹿嶋祭りは旧暦の五月十五日が祭日だったが、現在は三町内で六月の第三日曜日に行われている。


鹿嶋船 毘沙門町

左が飾り付け前、木組みに竹を編んだ簾、ガツギ(マコモ)で船をつくり、赤布を結んだ「下がり」をつけた舳先に、弁慶が碇をかかげる人形を置き、各家庭から持ち寄った鹿嶋人形を乗せる。



船尾(見返し)に「へのへのもへじ」の顔をした案山子。



船尾には熊笹の竹で編んだ「めっけぇ」と呼ばれる「舵」が取りつけられている。「めっけぇ」は、竹や柳で目を粗く編んだ「箕・み」に似た民具で、土砂などを入れて運んだ「目掻・めかき」が訛った言葉。


毘沙門町

以前は鹿嶋船の後ろに山車が連なり、武者などに扮した子どもの仮装行列もみられたという。


毘沙門町

秋田市内の鹿嶋祭りでは鬼が登場する例が多い。鬼の面をかぶった鬼役は、柳持ちと御札配りを従え、町内の家々を訪れ「悪魔祓い」をしながら歩き廻る。

西表町は鬼ではなく、中国古来の悪魔祓いの神で、端午の節句の鯉のぼりとセットになって、のぼり旗に描かれる「鍾馗」の面をかぶり、また、肝煎町の鬼役の少年は早足で町内を駆けるように廻る。


西表町



鹿嶋祭りの日、毘沙門町で配られる御札。

災厄を託した鹿嶋人形と旗の一部を旭川に流して祭りは終わる。

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ゴンキツネ

鹿島さん

おっ、なつかしいです。
私もガキの頃鹿島さんの山車ひっぱってましたよ。
今は3町内なんですね。
自分の頃は2町内だけでしたが。

2008.06.28 Sat 21:07