看板のない店・町家

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川反に近い大町にある、古い町家を利用した、看板のない飲食店。

看板のない店というのは気になる存在だ。
大人の隠れ家的な魅力もある。しかし入るのには覚悟がいる。
一度入ればなんてことはないのだろうが、もしかして一見さんはお断りだったりしたら…、などと躊躇してしまう。

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日が暮れて、玄関の赤いのれん越しに店内の明かりがほのかに灯り、黒く塗装された壁面とのコントラストを際立たせる。そのシンプルな演出が心憎い。看板、照明などの自己主張するものが一切ないことが効果を生み、逆説的にいえば、それが最大の自己主張になっている。

建物は、切妻、妻入、破風中央部には太い梁首を突き出すという、秋田の典型的町家の形式。ただし、町家にしては奥行きが浅すぎるので、奥の部分を取壊して改造したものと思われる。

店の名は「ととや」。場所は、かつては家具・建具の町として有名だった大町六丁目。古い町名は本町六丁目という、指物師の町であった。この建物も指物職人の家だったのかもしれない。

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