こしゃるみへ・秋田方言看板


秋田市保戸野にて

「こしゃる」という方言は「こしらえる」=「つくる」が変化したことば。

「何こしゃでだ?」=「何をつくっているの?」、「こしゃでけれ」=「つくってちょうだい」とも使われる。

「つくる」よりも丁寧な印象を与える「こしらえる」には、「つくる」という意味のほかに、「ことばで相手をこちらの意のままにする」「言いくるめて納得させる」「だます」といった、「捏造」のニュアンスも含まれている。

「捏造」の「捏」は、わがままを言い、すねる子どもを表現する「だだをこねる」の「捏(こ)ねる」、「造」は文字通り「造る」こと。

「こねくりまわして、つくりあげる」=「捏造」=「事実でない事を事実のようにこしらえること」。

小説に代表されるフィクション作品などは、良い「こしらえごと」=「創作」といえようが、最近世間を騒がせる食品偽装をみるまでもなく、悪い「こしらえごと」=「捏造・偽造」の氾濫する世の中ではある。

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