八橋「おでんつぁん」のお祭り

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八橋天神まつり
四月二十四・二十五日 
秋田市八橋 菅原神社

八橋の「おでんつぁん(天神様)」と親しまれた菅原神社は、天王町出戸字北野にあったものを、慶安(1648)のころ川尻総社神社の地に移したと伝えられている。現在地に移ったのは延享三年(1746)。祭神は天満大自在天神、これは学問の神・菅原道真公のこと。

城下の町民から、手習い学問の神としてあがめられ、祭りの日には額納めという、子供たちが習字を奉納する風習があり、古くは寺子屋の、後には市内の小学生で賑わった。

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明治時代八橋の天神神杜に四月二十四日五日、秋田市内の小学校の生徒は皆「習字の額」を奉納として持参。当時は自動車等もなく、全生徒が、先生につれられて、列を正しく、歩調をとって八橋まで歩いて参詣に行ったものであった。
雑誌「秋田」(鷲尾よし子主筆) 昭和五十年二月号より


寺子屋のころは、杉板に書いた習字を奉納したあとは、久保田一の行楽地であった八橋山で遊ぶ、楽しいリクリエーションの一日だったらしい。

門前や街角には「おでんつぉん」を始めとする八橋人形の店も出た。

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勝平得之 [秋田風俗百態] 天神様 昭和十三年

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通町の雑貨屋の店頭を借りた八橋人形売り(昭和初期)

菅原神社には道真公の愛した梅の花が多い。「おでんつぁん」のお祭りのころは、ちょうど秋田では梅の時期。今年はまだ五、六分咲きであった。

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「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな」道真