1980「イトーヨーカドー秋田店」開店の日

1980.11.22
昭和30年代、広小路の「木内デパート」が上げるアドバルーンを遠くから眺めるたびにワクワクしていた。市内中心部で最後にアドバルーンを見上げたのはいつだったか・・・。
昭和55年(1980)11月22日、秋田駅前に「イトーヨーカ堂秋田店」(イトーヨーカドー)を核テナントとする「秋田ショッピングセンター」オープン。ビルが建設されるまで同地区の商店街で営業していた地権者を中心に地元テナント80店が入居。西側の「東北電力」跡地に公営駐車場も同時オープンした。
オープン当日の「秋田ショッピングセンター」前には未明から客が並びはじめ、開店前には約2千人が行列、一日の来客数約6万人を記録。初日のイベントは、店頭にて秋大吹奏楽部による「ヨークブラスバンド音楽会」、7階広場にて「五十嵐夕紀 歌とサイン会」など。
「イトーヨーカドー」オープンに合わせて、広小路の地元企業「協働社」では五割~七割引セールを開催。同じく広小路の「ショッピングハウス・セントラル」(セントラルデパート)は全面改装、西武系パルコのノウハウを導入して高級化をアピール。
秋田駅前に立地する「ジャスコ秋田店」(現・秋田フォーラス)は全館を大改装。社員が市内を戸別訪問して豪華チラシを配布するローラー作戦を展開。「イトーヨーカドー」オープンの日には、7階催事場において人気アイドル「大場久美子 集いとサイン会」と、巨人軍の中畑選手・新浦投手・角投手を迎えて「ガンバレヤングジャイアンツ 激励サイン会」を開催するなど最も積極的に対抗した。
翌昭和56年(1981)、大町に「ダイエー秋田店」(秋田ニューシティビル)進出。
同昭和56年(1981)、相次ぐ大手スーパー進出の影響を受けて、広小路に昭和44年(1969)にオープンした、秋田初の中央資本によるスーパーマーケットチェーン「長崎屋」(古沢ビルディング)が一旦閉店。
昭和59年(1984)、秋田駅前に地元デパート「本金」と「西武百貨店」が合併した「本金西武」オープン。
平成12年(2000)、秋田駅東西連絡自由通路「ぽぽろーど」開通にともない「秋田ショッピングセンター」2階部分に直通出入口が開設される。

2004.10

2009.02

2010.08
平成22年(2010)10月、「イトーヨーカドー秋田店」閉店。

看板の残像が残る旧「イトーヨーカドー秋田店」
平成22年(2010)12月、「秋田ショッピングセンター」を「フォンテAKITA」と改称してプレオープン。核テナントは地下一階のスーパーマーケット「ザ・ガーデン 自由が丘 SEIBU」。まだプレオープンとはいえ、「イトーヨーカドー」の抜けたビルは地下を除いて閑散としている。

2010.12
広い無料駐車場を備えた郊外型のスーパーが主流となった今、気がつけば駅前から広小路を通って大町に到る中心部から「ダイエー秋田店」「ジャスコ秋田店」「イトーヨーカドー秋田店」など中央資本の大型スーパーが消え、残すは百貨店系の「西武秋田店」(旧・本金西武)のみとなっていた。
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フォンテAKITA