「のりたま」と「エイトマン」

一袋・30円(発売当初価格)
昭和三十五年(1960)、丸美屋から発売された「のりたま」は、「ふりかけは魚が原材料」というそれまでの常識をくつがえし、当時はまだ贅沢品だった卵と海苔を主原料とした新時代のふりかけだった。
パッケージは、大阪万博の桜花をモチーフにした シンボルマーク、日清食品「カップヌードル」パッケージなどを手がけた大高猛(故人)のデザイン。緑色は食品にはなじまないとされた当時としては、かなり斬新なデザインだったという。
シンプルで親しみやすいネーミングと斬新なパケージデザイン、それまでのふりかけにはない、子どもにも喜ばれるソフトな甘味・・・。テレビコマーシャルには落語家の桂小金治を起用、NHKの人気番組「ポンポン大将」(隅田川で働くポンポン船の船長が主人公の人情物語)の船長の衣装で「面舵いっぱーい、のりたまで三杯」とキャッチフレーズを連呼し流行語となる。
昭和三八年(1963)、丸美屋はTBS系で始まったアニメ番組「エイトマン」のスポンサーとなり、翌三十九年には「エイトマンシール」を景品にしたところ大ブレーク。あまりの売り上げに生産が間に合わず、問屋の倉庫で「のりたま」盗難事件も発生するほど、売り上げはシールを入れる前の十四倍にもなった。シールは当初、パッケージの外側に付けられていたが、それだけを剥がして持っていかれる被害が多発、のちに中に封入されるようになった。

右・初代シール 左・第二弾「東京オリンピック記念」

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牧場に牛が佇むパッケージは「牛肉すきやきふりかけ」。同時期に「チズハムふりかけ」というチーズ風味の洋風ふりかけもあった。これは結構おいしかったが、短期間で販売終了となってしまう。いずれにもシールが入っていて、早く新しいシールが欲しくて、ご飯にたくさんふりかけすぎて叱られたことなどを思いだす。
丸美屋ごはんくらぶ
http://www.marumiya.co.jp/files/index.html
パッケージの変遷、キャラクターの歴史など
丸美屋のキャラクターは「エイトマン」「スーパージェッター」「おそ松くん」と、スポンサーになったアニメの主人公が約一年ずつ担当している。
「エイトマン」は木曜午後6時からTBS系で放映されたが、キー局が日テレの秋田放送では、金曜日の6時台に放映されていた。
秋田放送
6:15 エイトマン
7:00 忍者部隊月光
7:30 私のクイズ
8:00 三菱ダイヤモンドアワー ディズニーランド(隔週・プロレス中継)
昭和三十九年七月二十四日(金)の番組表から
エイトマン主題歌