新秋田県立美術館「秋雨の水庭」エリアなかいち

川端たぬき


2012.10







エリアなかいち内「新秋田県立美術館」の水庭に、庇(ひさし)から落ちた雨だれが水紋を描く。

雨の日は水紋が現れるように計算した設計なのだろう。

秋の空のこと、間もなく雨が止み、青空が顔をのぞかせたが、雨だれはしばらく落ち続けた。

その水紋に日本庭園の枯山水の波紋を連想した。設計者・安藤忠雄はそれを意識したのかもしれない。


龍吟庵 東庭(赤砂の枯山水)枯山水 - Wikipediaより借用

京都市東山、龍吟庵(りょうぎんあん)東庭。作庭・重森三玲(しげもりみれい)。

水を使わずに山水(自然)を表現する枯山水。水を張った水面に山水(自然)を映す水庭。

時間が停止した枯山水は静寂の絵画。自然を反映して刻々と変化する水庭は動的な映像。

「静」のなかに「動」を観ずる枯山水。「動」のなかに「静」を観ずる水庭。

静中に動あり、動中に静あり。

表現方法は対極にありながらも、二つの「庭」に共通の精神を感じた。


エリアなかいち



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