封鎖銀行の「無用門」はトマソン物件
2012.06
秋田市南通亀の町に存在した保存樹「遺愛の松」跡の向いに建つ、旧「殖産相互銀行秋田支店」。
「殖産相互銀行」は、本店を山形市に置く地方銀行で、平成19(2007)年、「山形しあわせ銀行」と合併、「きらやか銀行」として新発足している。
昭和63(1988)年、秋田支店を廃止、「第一勧業銀行(現・みずほ銀行)秋田支店」に事業を譲渡。以降、正面玄関をコンクリートで固く封鎖。
2012.06 旧・殖産相互銀行秋田支店
閉ざされてから四半世紀が経過した銀行建築の、無用の長物と化しながらも風格を感じさせる煉瓦積アーチ門は、「路上観察学会」が「無用門」と分類した、典型的トマソン物件である。
無用門
塞がれてしまってもいまだ門としての威厳を保っている門。また、塀や壁などが無く、本来なら門を必要としないはずの開放された場所に設置されている門も「無用門」に分類される。
「トマソン - Wikipedia」より
超芸術トマソンとは、赤瀬川原平らの発見による芸術上の概念。不動産に付属し、まるで展示するかのように美しく保存されている無用の長物。存在がまるで芸術のようでありながら、その役にたたなさ・非実用に於いて芸術よりももっと芸術らしい物を「超芸術」と呼び、その中でも不動産に属するものをトマソンと呼ぶ。 超芸術を超芸術だと思って作る者(作家)は無く、ただ鑑賞する者だけが存在する。
‥‥中略‥‥
トマソンの語源は、プロ野球・読売ジャイアンツ元選手のゲーリー・トマソンに由来する。
トマソンは、元大リーガーとして移籍後1年目はそこそこの活躍を見せたものの、2年目は全くの不発でありながら四番打者の位置に据えられ続けた。その、空振りを見せるために四番に据えられ続けているかの様な姿が、ちょうど「不動産に付着して(あたかも芸術のように)美しく保存された無用の長物」という概念を指し示すのにぴったりだったため、名称として採用された。
トマソン - Wikipedia」より
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旧・殖産相互銀行秋田支店
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